キャラクターの実在性

刀ステを観た。

すごくコロナ対策に気を配っていて、先日の報道があったからかスタッフの方々も非常に真剣に誘導をしていた感じを受けた。

でもこの状況下で生の舞台を観られたことがやっぱり良い刺激になった気がする。家と職場の往復ばかりだったからか、同じ時間に同じ趣味の人が集まるという空間がすごく特別に感じた。

長年オタク的な趣味を楽しんできたけど、キャラクターにハマる、という経験は実はあまりない。だいたい作品が好き、キャラが全員好き、みたいな「箱推し」スタイルだった。刀剣乱舞も最初は同じような感覚で、コンテンツとして面白いし、新しい視点で日本史を学べて楽しい、だった。

ゲーム内で自分が育てている刀は確かに愛着が湧くが、そこまで優劣があるわけでもなく、のんびり2年くらい経った頃に2.5次元を見始めた。

以前、ハロプロの舞台(演劇女子部)で演出脚本をしていた末満さんがやっていると知り、それなら面白いかも、と実写にあまり良い思い出がないけど見てみるかと思ったのがきっかけだったはず。

末満さんは演劇ならではの場面づくりが上手い、とか、シリーズ内に謎を散らして観客を惹きつけるのが上手い、とか色んな要素があるけど、いわゆるオタクの視点がちゃんとあるのが2.5次元向きだなと思う。

(女オタクの視点、というよりこんな動きしてくれたら熱い!みたいな特撮オタク的な視点なので、たまに解釈が合わないと言っている人も見かける)

オタクは色々御託を並べたてる癖があって良くない…

結果を言うと刀ステでキャラクターにハマる、という感覚が分かった。

私は自分が初期刀(ポケモンでいう最初の3匹)に選んだ歌仙兼定にハマった。みんなはアイドルでいう「推し」な感覚で、キャラクターにハマっていたんだと理解した。

すごく合点がいった。

実在するアイドルは成長があるので、応援する楽しさがある。これは知ってた。

でも、2次元のキャラは作り手が全てを握っているので応援してもあまり意味がない。見た目が好き、とかそういう気持ちはわかるけど、周りの人ほど深入りできない、と思っていた。

でも、舞台は生ものなので本当にその場で戦っていたり、喋っていたりする。演じている人がキャラに近ければ近いほど、キャラクターがその場にいて、本当に頑張っているように思えてくる。

そうなると元々愛着が湧いていたキャラがすごく好きになる、アイドル的に応援したくなる。

なるほど2.5次元のヒットはここにあったのかと納得した。と、同時にキャラクターにハマる人の気持ちが分かった。

おそらく2.5次元の有無に関係なくキャラクターにハマる人はキャラクターの実在性を感じていて、そのキャラがその世界で生きている、ということを想像できていたんだなと思う。

私はその域に達していなかったので理解できていなかっただけだった。(別にそれが優れているということでもないが)

そのことに気付けただけでもオタク人生の中では大きな発見だったので、刀ステありがとうという気持ちだ。

作品としても刀ステ本当に面白いので是非とも長く続いて欲しい。歴史が長くなると途中でキャスト交代とかあるかもしれないけど、テニミュ的な感じでやってくれたら嬉しいな。